遺品整理、生前整理について
遺品整理とは
遺品整理とは、ご家族や親族が亡くなったとき、その故人が生前に使っていたものや遺された財産などを整理し、親族で分けあうことです。
遺品整理を始める前に、まず相続人にあたる親族が故人の遺産を引き継ぐか相続放棄するかを本人同士でよく話し合いましょう。
相続放棄の手続きは相続が発生したことを知ってから「3か月」までに行う必要があります。
もし、相続人に相続放棄する意思があれば、遺品の処分を勝手に行うと「相続する意思がある」とみなされ相続放棄が認められない場合がある為注意してください。
ただし、故人の家が賃貸だった場合、衛生面等で長期の放置が好ましくない場合など、管理人や近隣住民から明け渡しや片付けを要請されることもあるでしょう。
相続放棄をするつもりでも、相続人には遺品管理義務があるため、明らかに金銭価値のない家庭ごみなどは処分することができます。
また、原則相続放棄した故人の持ち物に触れてはいけませんが、金銭価値がないと判断されるものについては形見分けができる場合があります。
相続放棄にあたって遺品の処分、形見分けについて判断する時は、事前に専門家や弁護士に相談してから遺品整理を行うようにしましょう。
遺品整理に最適な時期は具体的には定められていない為、ご遺族の心や時間が落ち着いたときに始めましょう。
ただし、賃貸の場合は家賃や退去依頼の関係で定められた日までに片づけを終わらせなければいけないことがあります。
持ち家の場合も片付けの際は水道・電気・ガスといったライフラインの確保が必要ですので、光熱費がもったいない、定期的に家の整備をすることができない、という方は早めに遺品整理を終わらせた方が良いでしょう。
また、故人の生前の生活や各種契約状況によっては早期の書類申請が必要なものもありますので、注意が必要です。
一般的には四十九日前に終わらせて故人に報告する、という風に区切りを決めている方もいらっしゃいます。
とはいえ、故人が亡くなってすぐは様々な手続きに追われご遺族も疲労していらっしゃると思います。無理をしないタイミングで遺品整理を始めることが大切です。
どうしても急ぎになる場合は、信頼できる知人や業者を頼りましょう。
トラブルを避けるため、遺品整理をする場合は事前に親族と話し合ってから行ってください。
遺品整理で出る遺品は以下のようなものがあります。
◇貴重品、財産にかかわる書類など
遺品整理を始める前に見つけておきたい貴重品です。遺書や資産が記されたものは優先的に探していきます。
■貴重品の主な例
- ・遺書
- ・銀行の通帳
- ・印鑑
- ・クレジットカード
- ・マイナンバーカード
- ・保険証
- ・年金手帳
- ・パスポート
- ・有価証券
- ・公共料金等の請求書や領収書、納税通知書
- ・不動産などの所有権利の契約書類
- ・借用書
- など
故人が生前集めていた美術品、骨董品、古書、コレクターズアイテムなどは、歴史や価値があるものかもしれません。
故人の遺言書に従い、受け継ぐなら親族で分配し、管理が難しいなら寄付または専門家の査定を受けて買い取りをしてもらいましょう。
法的な手続きが必要なものには期日が設けられているものもあります。書類はよく見極めて処分しましょう。会計・経理関係の書類は7年ないし10年の保管義務があるため、みだりに捨てないように注意してください。
◇故人・ご遺族の思い出の形見
故人との思い出が詰まったものや、故人が普段使っていた持ち物など、各自が思い出として持っておきたいものです。
業者や知り合いに遺品整理を依頼する場合は、どういったものを残しておきたいか事前に話し合っておきましょう。
◇再利用可能なもの
家電や家具など、まだ問題なく使えるものがある場合は、親族で分けるか知り合いにかけあってみましょう。
◇処分するもの
遺品整理で出たゴミはゴミ回収業者に依頼するか、地域のゴミ回収ルールに従い分別して出しましょう。
「テレビ」「エアコン」「冷蔵庫、冷凍庫」「洗濯機、乾燥機」は家電リサイクル法により粗大ごみとして処分できません。メーカーごとに決められているリサイクル料金を支払い、家電小売り店などに引き取ってもらいましょう。
◇人や企業からの借り物
遺品の中には、故人が人や企業から借りているものがあるかもしれません。
故人の知り合いと連絡がとれるならば、故人が人から借りているものがなかったかなどを事前に聞き出しておくと後にトラブルを避けることができます。
遺品整理は一人で行わず、なるべく親戚が集まって行います。
急いで作業を行うと重要なものを誤って処分したり、怪我のもとになります。相続人を主軸に、時間にゆとりをもって日程や処分するものを取り決めましょう。
■遺品整理で準備しておきたいもの
- ・作業しやすい服装
- ・水道、電気などのライフライン
- ・軍手、マスク、タオル
- ・掃除用具
- ・飲み物
- ・地域指定のゴミ袋
- ・ダンボール
- ・マジックペン、ハサミ、ビニール紐
遺言書を見つけたら、家庭裁判所へ検認請求が必要です。もし遺言書に封がしてある場合は、自分たちだけで開封すると罰則が科せられます。家庭裁判所に行き、相続人立会いのもとで開封してください。
遺言書やエンディングノートが見つからない、あるいは遺言書で遺品について触れられていない場合は、親族で話し合って遺品整理を進めていくことになります。
【2】書類や貴重品などが入っている引き出しや金庫を探し出します。見つかったら間違えて処分しないように、貴重品と分かるようメモ書きをしてダンボールなどに入れてまとめておきます。
本やアルバムの間など、意外なところに現金や書類などが挟まっている可能性がありますので、時間はかかりますがしっかりと中身を確認していきましょう。
【3】部屋全体の整理を始めるときは、まずお家の玄関から片付けていきます。
主要な通路を確保しておくことで、スムーズに物を運び出すことができます。
【4】処分するもの、形見分けするものを親族で話し合います。
遺産分割に入らない遺品は親族や知人で形見分けをすることができます。
ただし、市場価値のある高価なもの(美術品、骨董、宝石類など)、現金、車、不動産などは遺産に入る為、相続税や贈与税がかかる場合がありますので注意してください。
分からないときは税理士や税務署に相談することをおすすめします。
【5】処分するものがまとまったら、自治体のゴミ収集ルールに従ってゴミを出すか、一度に処分したい時はゴミ回収業者に依頼して見積もりをとってもらいましょう。地域によっては、クリーンセンターに直接ゴミの持ち込みができるところもあります。
ただし、仏壇や危険物(ガスボンベなど)は業者でのゴミ回収が困難なものもあります。
仏壇は宗派によって処分の方法が異なりますので、寺院、仏具店で引き取ってもらう、地域の粗大ごみ収集のルールを確認の上処分する、専門業者に依頼するなどの方法があります。
遺品整理は故人と向き合う時間でもあります。故人が亡くなった心が癒えない中、ご遺族も多忙な中で作業を行わなければいけませんが、遺品整理で気持ちを一区切りをつけることで大きなメリットにもなります。
様々な理由でどうしても遺品整理が行えない……知人には頼りにくい……という方は、遺品整理の代行を検討してみてください。
・仕事が忙しくて遺品整理の時間がとれない
故人と離れて暮らしている場合、遺品整理のために仕事の長期休暇をとる、あるいは自宅と故人の家を何度も往復することになります。 さらに、故人の住まいが賃貸だった場合、月をまたぐと家賃がかかってくる、管理者から早めの立ち退きを促されるなどの理由で急を要することも。
・足腰が弱く、遺品整理を行うことが難しい
遺品整理を行うことになった親族がご高齢、あるいは理由があって荷物を運ぶのが困難な状態の場合、無理に遺品整理を行うと怪我をしてしまうかもしれません。
・遺品を見ると故人のことを思い出して精神的に苦しい、作業が進まない
突然の故人との別れにいざ心の整理がついても、大切な思い出が詰まった遺品を見ると生前の思い出が蘇り、精神的に参ってしまうという方もおられます。
……その他、物が多すぎて一人では整理が終わらない、故人に大切なものを預けていたので一緒に片づけをしながら探してほしい、などのお悩みをお持ちの方
生前整理とは?
亡くなった故人の物を遺族が整理することを遺品整理と呼ぶのに対し、生前整理は近年注目されている終活の一環で、生きているうちに自分の身の周りの物を整理することです。
生前整理のメリットとしては、
- ●自分が死んでしまった時、残された家族や親戚の負担を減らすことができる。
- ●物が整理され、自分が生活しやすい環境を作ることができる。
- ●自分にとって大切なものを改めて認識し、気持ちを切り替えることができる。
などがあります。
生前整理のデメリットはありませんが、人によっては普段のお掃除よりも時間がかかる断捨離になりますので、きっかけがなければ行動に移すタイミングや時間をつくることが難しいと思います。
ですが、高齢化してからの生前整理は荷物の移動等で怪我をする可能性がある為、動く元気がある50代、60代のうちにある程度済ませておくとスムーズに整理を進めることができます。余裕を持って、焦らずじっくりと進めていくのがおすすめです。
不要品を処分する、必要なものを把握する
長年使っていない家具、家電、食器、書籍や衣類などを処分します。
人に見られたくないプライベートなものを処分できるのはもちろん、自分の死後、家族にかける負担を軽減できます。また、物を整理することで通路や空間にゆとりが生まれて、高齢になった時や災害時に怪我をする危険を回避することができます。
同時に、分別作業と兼ねて財産管理に必要な契約書などの書類を整理しておきましょう。
「いつか使うかも……」と思うとなかなか処分に踏み切れないものでも、代用が効くものや買い直せるものは2年使っていないなら処分する、などの自分のルールを決めると断捨離の決意がつくかもしれません。
家族の物が残されていたり、夫婦やお子さんなど同居人がいるお家は、自分にとっては不要なものでも家族にとっては大切なものがあるかもしれません。捨てる前に聞いておくか、一旦保留用の箱を用意してそこに入れておくとトラブルを防ぐことができます。
財産リストを作る
自分が所有している不動産契約書や預貯金、有価証券、借金などをリストに記したりファイリングをしておくことで、相続のトラブルを防ぐことができます。美術品や古書など物自体に価値のあるものを収集している方は、その旨も記しておくと大切なものが誤って処分されることを防げるかもしれません。
遺言書を作る
誰にどの財産を相続させるのか、自分の意思を書き記すものです。財産は基本的に親族に分配されますので、親族以外の友人や内縁の妻などに財産を相続させたいとき、どこかに寄付をする場合には必ず必要になります。これには法的効力がありますので、決められた形式で正しく書くようにしましょう。
エンディングノートを作る
エンディングノートとは、自身に何かがあった時に備えて家族や自分のために書くノートのことです。死後に限らず、何らかの理由で自分で意思表示ができなくなった時にどんな介護や医療を希望するのか、葬儀の希望など、残り時間をどう生きたいか家族に伝えながら自分の生き方を見直す為にも有効です。
これには遺言書のような法的効力はなく、あくまで「お願い」としての書き記しになりますが、後に家族の迷いを軽減してあげることに役立つかもしれません。
ノートは主に書店や文具屋などで売られていますが、イベントやインターネット等で無料配布しているところもあります。
また、近年はスマートフォンやパソコンなどが普及したことで、データとして個人情報や写真などの情報を管理している方もいらっしゃいます。中のデータを整理したい、どこかに重要なデータを保存しておきたいが操作が分からない、という場合も事前にご相談ください。
終活の一環として行う生前整理は一見後ろ向きな行動のように思いますが、自分の残りの人生を見つめ直し、快適に過ごせるようにする人生の再出発点にもなりますので、思い立った時にぜひ行動に移してみてください。
便利屋119番では遺品整理、生前整理の代行、お手伝いを承っております。
人手が欲しい、何らかの理由で整理が行えない……などの
お悩みをお持ちの方はぜひご相談ください。
※当店がお受けできないこと
- ・仏壇、ピアノ、精密機器など吊作業が必要となる重量物の移動、処分はお受けできません。
- ・危険物(灯油、ガソリン、ガス、ガスボンベ、火薬、ライター、化学薬品、ペンキなど)の移動や処分
- ・医療機器など、医療用廃棄物として特別な処分手続きが必要なものの処分
- ・動物などの生き物の処分
- ・盗品など犯罪にかかわる物の移動、処分
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